イベントレポート

ハカドルオンラインイベント「新進気鋭のキャピタリストが語る!コロナ後の資金調達について」イベントレポート

2020.12.04

ハカドルは2020年10月27日(火)にVCをお招きし、オンラインイベント「新進気鋭のキャピタリストが語る!コロナ後の資金調達について」を開催しました。

シード〜アーリーステージのスタートアップを対象に、資金調達の基本的な流れから資金調達のメリット・デメリットなど、資金調達について簡単に学ぶことができる1時間30分。

また、資金調達を受ける際に企業のどこを見られているのかを現役キャピタリストに聞いてみたりと、今後起業予定がある方や資金調達を考えている人には必聴のイベントとなりました。

各コンテンツごとの内容の一部を簡単にまとめましたので、今後の参考にしていただきたいです。

1. ゲストスピーカー紹介

ゲストスピーカーにはハカドルのVCインタンビューに登場した4名をお招きしました。

株式会社サムライインキュベート Investment Manager Investment group
坪田 拓也さん

 

株式会社KVP(現・ANOBAKA) キャピタリスト
萩谷 聡さん
※KVPは2020年12月1日に「ANOBAKA」に社名変更となりましたが、本記事ではKVPと表記いたします。

 

株式会社iSGSインベストメントワークス  インベストメント・マネージャー
安喜 理紗さん

 

ジャフコグループ株式会社 シニアアソシエイト
清田 怜さん

 

モデレーター
株式会社IPPO 山岸 耕

 

2. 資金調達の流れ


VCから資金調達を受ける場合の流れを簡単にまとめました。

資金調達を受ける際に意外と大事なのは「VCとの相性」。

VCと繋がる一般的な方法は
①VCに直接連絡する
②知人からの紹介
③ピッチコンテストなどのイベントでの出会い
などが今は多いようです。

 

——複数のVCさんと会っても良いのでしょう?

清田:個人的にはいろいろな人とお会いするのが良いと思います。

VCから資金調達したら、そのあとは株主として並走していく形になるので、短くとも2〜3年、長くて10年くらいの付き合いになるんです。なので、会社や担当者との相性が大事になってくることを考えると、複数の方とお会いした方が良いと思います。

 

——VCと出会い、資金調達に向けて動き始めたら面談・書類提出などが始まりますが、各社の事例などを教えてください。

安喜:iSGSでは書類提出のところで一緒にピッチ資料のブラッシュアップも行います。投資委員会は全メンバー4人で参加します。起業家の方から直接ピッチをしていただいて最終判断をしています

萩谷:VCによって違うようで、投資委員会では起業家がピッチする場合と、担当者がその起業家に代わってピッチする場合がありますね。KVPではパートナー面談の時に資金調達の意思決定をするのですが、VCによってどこで意思決定をするのかが違うので、どのようなスケジュールで意思決定が決まるのか聞いてみると良いと思います。

 

——面談では、どのようなことを聞くのでしょうか?

坪田:最近はオンラインが多くなっていますが、1回30分~1時間くらいやります。

最初の面談では内容は事業のピッチをしてもらって、そのあと質疑応答という流れが基本的に多いです。ピッチを聞いた後はサムライがどのような支援を行なっているのかを説明しています。

僕は、ビジネスモデルも大事ですが、なぜこの事業をやっているのかを聞いています。サムライではプレシード〜シードの、まだ事業をスタートしていない段階での出資も行なっているので、この人たちが助けたい人やターゲットを知りたいからです。

——VCによる市場動向調査や事業計画書の精査ではどんなところを見ていますか?

坪田:初期のターゲットと課題の具体化、競争戦略の優位
萩谷:PMF
安喜:今後の成長のため必要な資金はどのくらいかとその根拠、この事業が実現できそうなチームなのか
清田:課題の解像度

 

——投資員会ではどのようなことが話し合われているのでしょうか?4社の中で一番規模が大きいジャフコの場合をお聞きしたいです。

清田:ジャフコではわたしのような投資担当者が投資委員会で話します。なので起業家の方は参加しません。

審査を通すために担当者が資料を作り込んでピッチをします。そのあと質疑応答があります。

どういうことをやろうとしている会社なのか、特徴や強みなどの話をしつつ、僕らVCは出資したお金を増やさないといけないので、この投資でどのくらいのキャピタルゲインが見込めるのかの話もします。

 

——出会ってから出資まで、大体どのくらいの期間なのでしょうか?

清田:ジャフコの場合は通常ベースだと3ヶ月ぐらいです。

萩谷:KVPだとプロダクトもなにもない状態でTwitterのDMで連絡が来て、次の日会ってみたらすごい良い内容だったので、その週に出資が決まったこともあります。

 

 

3. VCから資金調達をするメリットデメリット


資金調達とはただ資金を調達するためにするのでしょうか?キャピタリストが思う、資金調達のメリット・デメリットを聞いてみました。

 

——資金調達のメリットはなんでしょうか?
坪田:サムライでは協業先の候補やクライアントの紹介ができます。

日本だけでなくアフリカやイスラエルなど含めた累計180社に投資しているので、投資先とのコミュニティーに入れることで情報交換などをすることが可能です。

萩谷:VCって過去の事例からたくさんのノウハウを持っているんです。なので成功事例よりも失敗事例を共有し、限られた資金で事業がスムーズに進むようにしています。

清田:お二人の話を聞いていて非常に共感する点が多いと思って聞いていました。

僕は銀行ではなくなぜVCなのかというお話をしたいのですが、エクイティ調達ってリスクマネーとして成長のために踏み込んでいくものなので、時間をお金で買うという発想で、事業スピードを圧倒的に上げていくためのものだと思っています。

安喜:皆さんが言われている通り、ノウハウやアドバイスがいつでも貰えるということと、人脈作りなどのお金以外のところでサポートできるのがメリットだと思います。

 

 

4. 各VCの特徴や違い

登壇キャピタリストが所属しているVCについて、キャピタリスト本人から説明していただきました。
各社の規模や実績、強みや得意な領域などをお聞きし、表にしてみました。

株式会社サムライインキュベート
サムライインキュベートの経営理念は「できるできないではなく、やるかやらないかで世界を変える」。
2008年に創業後、スタートアップ専用のワーキングスペースをオープンしたり、ピッチイベントを開催していました。最近はアフリカや中国にも進出しています。現在はシリーズAまで検討し、最大5000万円まで出資しています。

京浜急行や丸井、前田建設などもファンドに入っているので、物流・ヘルスケア・リテール建設・金融・モビリティを中心に投資活動を行なっています。

 

株式会社KVP(現・AONOBAKA)
シードステージのスタートアップを成長ステージに導くことをミッションとしています。
全てのIT領域を対象としていて現在80社以上に出資をしています。プロダクトがない状態での出資は50%ほど。

どういうふうに事業を進めていったらわからないという経営者の方もいるので、事業の解像度やミッションなどを明確化するためにディスカッションをしっかりしています。

 

株式会社iSGSインベストメントワークス
2016年に設立。オールステージに出資しており、投資先企業数は75社。(2020年10月現在)

メンバーに女性がいるので、女性視点でのお話もできる。投資先企業の女性経営者は約3割。1社あたりの最大出資額は3億円まで。

 

ジャフコグループ株式会社
1973年設立。今まで4000社を超える企業に出資し、そのうち1000社以上が上場した。日本がメインだがグローバルに展開をしている。

メンバーの数が多く、営業支援、採用支援専用のチームもあるので、出資以外のサポートも可能。2020年4〜9月の新規投資数は9社、出資金金額の平均は4〜5億円。

2020年10月にジャフコ グループと社名変更し、新しいことを作っていく経営者とともにジャフコも新しい未来を作っていきます。

各社の比較表

 

 

5. withコロナの中でスタートアップ・ベンチャー企業に求められるものとは?

コロナのはスタートアップ界隈にどのような影響をもたらしたのでしょうか?こちらは簡単にですがお話いただいた概要をまとめています。

KVPの萩谷さんによると「事業面については飲食業やインバウンド系はもろに影響を受けていますが、サブスクやC向けの事業はとても伸びていますし、意識改革が行われているため、DX事業もすごく伸びています。」とのことでした。

安喜さんからは「リモートワークが増えたことにより、メンバー間のこころの距離やズレが出来てしまった企業がありました。メンバー全員が同じ方向を向くために、起業家の人は纏め上げる力が必要になってきたと思っています。飲み会やランチ会などは大事です。」との意見も。

withコロナの中でキャピタリストが思う、今後ベンチャー・スタートアップ企業に求められるものとは何か、坪田さんと清田さんに伺いました。

坪田:「引き続き顧客を主語にした事業作り」です。情報が変化したり、外的要因でいろいろ悩むことがあると思いますが、顧客がどんなニーズを持っているのか、どんな課題を持っているのかなどを把握して、顧客を主語にして事業作りをしていくことが大事かなと思います。そうすれば波があっても顧客に選ばれて事業を伸ばせて資金もできていく。これを忘れずに事業作りをしていくことが大事だと思っています。

清田:「変化力」です。コロナによる緊急事態宣言などを経験したことで、予想外のことって本当に起こるんだなと実感しました。長い時代の中できっとまた何か起こるので、止まらずに常に変わり続ける組織が重要だなと思いました。

 

 

6. キャピタリストに聞く「注目の〇〇」


まずはキャピタリストが今注目している「業界」を聞いてみました!

坪田:「モビリティ」「地方」

生活が変化していく中で、ものが移動することで新たなライフスタイルや目的が生まれるサービスに注目しています。地方のニーズに根付いた、モビリティ×Maasのサービスが今後増えていきそうです。

萩谷:「チャレンジャーバンク」「与信」

銀行のAPIを利用して、お金の管理やレンディングや送金をすることが海外では伸びていて、日本でもこの5年で変わると思います。

安喜:「既存産業の変革を起こす業界」

アグリテックなど、これまで普通だったものを変革していく業界に注目しています。

清田:「アート」
アートを金融商品としてみた時にアートは9兆円と言われています。そういう大きなマーケットでビジネスっぽくない領域のイノベーションが起こる時代だと思っています。

 

注目のサービスについては「投資先以外」という縛りを付けて聞いてみました。

坪田:「アルパカラボ」

沖縄の代行運転スタートアップです。地方の位置情報を知っているからこそ解像度が高い事業を作れると注目しています。

萩谷:「バルクオム」

あえてのピックアアップですがバルクオムが今後どういう風に大きくなるか気になっています。バルクオムが評価されることでC向けの新しいサービスが復興していくと思うんですよね。

安喜:「fity market」「imperfece food」

規格外などの今までは捨てられてしまうような野菜をまとめて売っているサービスです。フードロスは今後よりスタートアップが入っていくと考えています。

清田:「RURA」

遠隔接客のサービスです。ホテルや受付業務など、今まで人がやっていたところをリモートで接客していく仕組みを提供していて、感染症対策や人手不足を解消していくと注目しています。

 

このあとQ&Aコーナーが始まり、イベントは終了しました。最後にキャピタリストの皆さんから経営者の皆さんに向けてメッセージをいただきました。

坪田:「いろんな方とお話ししたいなと思っています。もし資金調達を断られても諦めずに頑張って欲しいです!VCにもいろんな人がいるので素敵な仲間を探して欲しい。」

清田:「僕自身もベンチャーの成功を願っていますし、投資実行だけが全てではないと思っています。たくさんの人とお話ししたいので、壁打ちでも相談でもいいのでご連絡いただきたいです。」

安喜:「スタートアップには可能性しかないと思っていて、世界を変えていけると信じています。投資のお話しだけでなく、その前の段階のお話しもラフにできたら良いなと思っています。ぜひお声がけください。」

萩谷:「シードから出資を受けるとなると長い期間、良い時も悪い時も共に過ごしていくので、相性が良い方から出資を受けることが心理的にも重要だと思っています。VCには魅力的な方が多いのでいろんな人と壁打ちしながら『この人から支援されたい』とか『この人とは合いそうだな』と思えるような人と出会って欲しいです。」

 

イベントを終えて

資金調達の流れだけでなく、キャピタリストの思いや本音が聞くことができました。

Cと聞くとなんとなく敷居が高いというか、知り合うためのハードルが高いような気がしますが、実際はそんなことはなく「もっとたくさんの人とお話ししてみたい!」という方ばかりでした。

IPPOでは今後もスタートアップ・ベンチャー業界でチャレンジしてみたい皆さんを支援できるような記事やイベントを企画しています。イベントの開催情報はIPPOのFacebookページやTwitterでお知らせしています。チェックしてみてください。

こんなイベントをやってほしいという要望をお待ちしております!
「起業家やVCにこんなこと聞いてみたい」「こんなイベントがあったら参加してみたい」などありましたら、ハカドル編集部にリクエストをお送りください。

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