VCインタビュー

【VCインタビュー#14】インキュベイトファンド株式会社|起業家を一番近くで支える存在で在りたい

2022.06.02

M&AアドバイザリーからVCに転身したインキュベイトファンド株式会社の田仲氏。投資の際に見るポイントや投資先への寄り添い方について伺いました。

 

インキュベイトファンド株式会社

アソシエイト

田仲 梓月 氏

 

2018年PwCアドバイザリー合同会社入社。戦略とPMIを行うDeals Strategy & Operations チームにて、経営戦略策定業務及びM&Aアドバイザリー業務に従事。2020年インキュベイトファンドに参画。アソシエイトとして新規投資先の発掘、投資先企業のバリューアップ業務等を担当。

 

【インキュベイトファンド株式会社】

 

1.インキュベイトファンド株式会社について

1-1.特徴・強み

弊社の特徴は、リードで投資し、ファーストラウンドのスタートアップ企業に投資をしています。「Zero to Impact」を理念として掲げており、まだ社員を採用していない代表取締役だけの段階からゼロイチで一緒に事業を創出していくことに強みを持っています。会社創立の段階から伴走し続け、投資先と共にIPOを目指していきます。また、国内外の機関投資家を中心に資金を集め、IPOの準備に入っているスタートアップ企業が対象のファンド「IFGO」というグロースファンドもあります。

 

また、コミュニティやHRの支援が手厚いことも他のVCにはない特徴だと思います。「More than a VC」と掲げている通り、投資した分を回収して終わりというわけではなく一緒に事業を大きくしていこうという想いがあるため、大きくなるために必要なことは専門部隊がサポートするような形です。

具体的なサポートとしては、コミュニティであればスタートアップにさまざまな機会をもたらすイベントを開催したり、広報支援を行ったり、企業の盛り上げに貢献していきます。

HRであれば、弊社が持っているタレントプールに応募いただいた方を投資先へお繋ぎしたり、いくつかのエージェントと提携しているのでそちらからスタートアップに必要な人を必要なときに採用するための支援を行うなど、手厚くサポートしています。

 

1-2.投資先のターゲット

投資先のターゲットは、他VCが参入する前のファーストラウンド(シード期)に特化しています。投資する企業の業種に絞りなどは設けておらず、代表取締役の人柄重視で「応援したい」と思った企業に対して投資をしていくスタイルです。

今のファンドだけで30社に投資していて、毎月3〜4件は新規投資先として上がってきています。投資額はピンキリですが、1件あたり平均3000万〜5000万円くらい、多いところであれば3億という額を投資することもあります。

 

1-3.投資する際のポイント

一番見るポイントは、代表取締役の人柄です。嘘がなく、誠実で、信頼できる方というのが第一条件です。業界に限らず一生懸命仕事に向き合っていて、事業に対して熱い想いがある方であれば、一緒に走っていきたいと考えています。目指している領域の市場規模が小さいと投資が難しい場合もあるのですが、人柄が良ければ一旦一緒に走り出して、事業の方向性などをすり合わせていければと思っています。

また、弊社のGeneral Partner5名の求める事業を展開しようとしている人がいれば、投資検討の俎上に載りやすかったりもします。今だと環境問題に注目しているGPも多いので、当てはまる事業を展開している人がいればぜひお話を聞きたいです。

いずれにせよ、大きな方向性をすり合わせながら一緒にIPO目指して進めていくスタンスです。

 

1-4.シードアクセラレーションプログラム「Incubate Camp」について

Incubate Camp」は、シード期からシリーズAまでの起業家を対象とした1泊2日のイベント合宿です。起業家と投資家がそれぞれ参加し、起業家のピッチを聞き、投資家が投資したいと思った人とペアになります。その後ひと晩かけてメンタリングし事業計画やピッチの内容をブラッシュアップしていき、2日目に再度ピッチをして総合的に評価し、優勝者を決定します。

ペアを組んだ投資家がそのまま実際に投資をすることもありますし、ピッチを見ていた投資家やピッチの評価者が投資したいとなることもあります。

基本的には年1回の開催で現在12年目となり、約500億円(累計調達額)の資金調達が実現しています。

投資家は日本を代表するベンチャーキャピタリストに声がけして参加いただいて、起業家はエントリー制で毎年数百名の応募があり、16名前後まで選考していきます。

 

2.田仲氏について

2-1.自身の強み

今まで短い期間ではありますが、赤浦の投資先を一緒にずっと見させていただくことにより、様々なフェーズ/分野/形態のスタートアップの様々な事象をとても近い位置で経験させていただいているので、どんなことで成功してどんなことで失敗したのかというナレッジが溜まっていっており、このナレッジを元に投資先企業に貢献していけることがなによりの強みだと思います。投資先とのミーティングは基本的には週1回、多いときには数回にもわたってミーティングをしたりして、経営の大きな方針や細かい数字についても把握するようにしています。実際に一緒に考えて手を動かしていくことで、起業家にとってのプラスに導いていけるのかなと思います。

前職がM&Aのアドバイザーとして戦略的なファイナンスや経営戦略を考えたりしていたので、IPOするためにはどうすればいいのか、将来的に会社を大きくするためには今なにをすべきか、という部分のフォローができるのも強みだと感じています。

 

2-2.VC業界で働いている理由

将来的に起業しようと考えていたので、新卒では戦略的なファイナンスや経営戦略が学べる会社に行こうと思い、PwCアドバイザリー合同会社に就職しました。その後、自分の名前で責任を持ってできる仕事がしたかったので、東大FoundXというアクセラレータに入り、起業内容を考えながら起業家の卵の友人たちと話していました。その時に「見ているビジョンやお人柄なども含め、とても魅力的な方たちだな」と思うことがたくさんあり、そのすごい方々全員と仕事をしたいという考えになっていきました。その時に出会ったのが弊社で、会社の理念や経営方針が自分の考えとマッチしていたので入社に至りました。

起業したいと考えた理由は、2019年に個人的に大きな転機があり、メンタルヘルスや日本の閉鎖的な文化について課題を感じ、その課題を色んな方向から解決するために起業しようと考えました。人間が楽しく、心が開放されて生きていける社会にしていきたいという想いがあるので、いつか解決できる事業を展開していきたいです。

 

2-3.投資先との付き合い方

なるべく投資先に負担をかけないように心がけています。事業に100%集中してもらいたいのでVC側から余計な圧をかけないようにしています。自分のリソースをどれだけ使ってでも投資先のバリューアップのために貢献していきたいと考えています。

 

2-4.最近注目している業界

ひとつは、フェムテックです。

女性が生きやすい社会を作りたいと考えています。私の個人的な見解なのですが、ホルモンバランスが整っていれば生きやすいのではないかと考えていまして、例えば更年期障害や生理不順などホルモンバランスによる身体への影響は、女性特有だなと思っています。そういった部分にリーチできるような事業や製品をもっと世の中に知っていってほしいと思います。

 

もうひとつは、エンタメです。

アニメや漫画が好きで、お笑いや宝塚にも興味があります。次の時代の萌えの基盤を作りたいと考えています(笑)

VCという立ち位置だとエンタメ業界は出資が難しいと言われていますが、なにか特化した技術があったり、Netflixに参入したグローバルコンテンツなど、データ分析して当たりやすいコンテンツであることが証明され、「勝てる戦略」があれば投資できる可能性があります。

どんなものであっても一緒にすり合わせて解決の道を見つけていきたいです。

 

3.今後の展望

一番苦しい時にすかさず手を差し伸べて救っていくことが弊社のVCの共通点でもあります。一緒に苦しんで踏ん張って、どんな時でも「いけるよ、大丈夫」と笑顔を絶やさず一番そばで、事業も心も支えられるようなVCでありたいと思います。方針について協議はすれど、最後は相手の決めることを信じて、相手がありのままであることを受け入れ、起業家の事業のためにできることを精一杯やっていきたいです。

 

4.編集後記

相手を受け入れる気持ちは「母性」でもあり、真面目で誠実な人であれば支援していきたいと語ってくれた田仲氏。優しい笑顔と柔和な雰囲気は、どんな時もそばで支えてくれる安心感があります。女性ならではの目線も持ちつつ、前職の経験も活かした適切なアドバイスを強みとしている田仲氏にぜひ相談してみてはいかがでしょうか。

 

 

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