オーナーインタビュー

【オーナーインタビュー#4】三菱地所株式会社|3年で羽ばたくスタートアップ企業を育てる丸の内での取り組みとは

2022.04.28

rel="noopener"東京駅、大手町駅、三越駅前から3分の好立地にある「TOKIWA BRIDGE」。スタートアップ企業が未来に羽ばたくためのサービスオフィスとして、2022年1月にオープンしました。今回はこのTOKIWA BRIDGEを企画・運営しているxTECH運営部 新規誘致ユニットの岩本氏に、三菱地所株式会社の丸の内での取り組みやスタートアップ企業との関係性について伺いながら、TOKIWA BRIDGEの施設内をご紹介いただきました。

三菱地所株式会社

xTECH運営部 新規誘致ユニット

岩本 祐介氏

 

【三菱地所株式会社】

 

【xTECH(クロステック)】

 

1.三菱地所株式会社のxTECH事業とは

私の所属しているxTECH運営部は、スタートアップエコシステムの構築・充実を図ることを通じて、丸の内をスタートアップ×大企業の協業・共創の街にしていこうという取り組みを進めています。

三菱地所は100年以上、丸の内の街づくりに取り組んできました。2000年以前、銀行が軒を連ねる丸の内は15時になるとシャッターが下り、15時以降は閉鎖感のある街という印象もありました。ですが2002年の丸ビル開業を契機に、丸の内を活気と賑わいのある開かれたにするという考えのもと、丸の内仲通りの路面区画にブランドショップを誘致するなど、商業の賑わいによる街の活性化に取り組んできました。

 

そうした中、2015年からは、丸の内の次の15年を見据え、商業の賑わいに加え、多様な人・企業が集い・交流することを通じて進化していくまちを目指し、丸の内エリアの「オープンイノベーションフィールド」化を進めています。

xTECH運営部は、その集積・交流の場作りというハードと交流の促進というソフトの両面を担っています。

 

2.スタートアップエコシステムについて

スタートアップエコシステムは企業や大学の研究機関、公的機関などがネットワークを作り、スタートアップを生み出しながら発展していくシステムのことを指しますが、三菱地所も同じ取り組みをしています。

スタートアップを起業段階からサポートするべく、東京大学の起業支援プログラム「FoundX」採択企業向け施設の運営や東京医科歯科大学と共同で、医療現場・研究現場発イノベーションコミュニティ「TMDU Innovation Park」(TIP)の運営を行うと共に、スタートアップの成長を加速していくために、メンターやアクセラレーター、ベンチャーキャピタルなどのエコシステムプレーヤと連携しながら、スタートアップの成長支援を行っています。

その中でxTECH運営部では、「EGG JAPAN」や「FINOLAB」「TOKIWA BRIDGE」などの施設・Labの運営を通して、スタートアップのネットワーキング・マッチング支援や、施設・まちを活用した実証実験などを行い、社会実装支援を行っています。また、スタートアップ関連のニュースや取組みなどを紹介するオウンドメディア「xTECH」の運営も行っています。

 

3.TOKIWA BRIDGEについて

丸の内5番目のスタートアップ成長支援施設として2022年に誕生したのが、TOKIWA BRIDGEです。TOKIWA BRIDGEは、創業7年以内のシードからアーリー期スタートアップおよび創業3年以内の大企業カーブアウト企業向けサービスオフィスです。

より気軽に丸の内のまちを活用しながら成長してもらいたいという想いから、TOKIWA BRIDGEでは、丸の内の複数拠点のラウンジを含めた共有スペースをご利用頂けるホットデスクプラン(月額3万円/ID)と、個室も利用する個室プラン(月額2万円/ID+個室料金)を用意しており、4名個室を月単位で利用する場合は、月2万円/ID×4ID+20万円から契約が可能です。

また、曜日貸しという制度も設けており、共用スペースはいつでも利用でき、個室は特定1曜日だけ使用する場合は2万円/ID+6万円/特定1曜日で契約可能です。現在では24社が入居しています。

 

【TOKIWA BRIDGE】

画像出典:TOKIWA BRIDGEホームページ

 

3-1.TOKIWA BRIDGE特徴

TOKIWA BRIDGEは、TOKIWAブリッジ13階と地下2階の2フロア約1,100㎡に開設しています。元々は、ある会社の役員室や会議室だったエリアをリノベーションしてスタートアップ向け施設としています。TOKIWA BRIDGEは3年後の2024年12月末には閉館を予定しており、それまでの3年間で、未来に羽ばたくスタートアップの成長支援をしていきたいと考えています。

尚、2024年度中には後継施設を開設し、その後、2027年度には、「TOKYO TORCH」の街区内に誕生する390m日本一のビルとなる予定のTorch Towerに何らかの施設を作っていきたいと考えています。

 

入居企業は、国内成長企業が中心で、まだ資金調達を行っていないシード期の企業にもご入居頂いています。

TOKIWA BRIDGの入居企業は、東京大学の起業支援プログラム「FoundX」卒業企業やVCをはじめとしたエコシステムプレーヤーからの紹介、入居企業からの紹介等でご入居されている方がほとんどです。丸の内は大企業のイメージが強いかもしれませんが、成長段階のスタートアップ企業にも丸の内をどんどん使っていってほしいと思っています。

 

もうひとつ施設の特徴は、曜日貸しをしている点です。まずは、共用スペースをいつでもご利用頂けるホットデスク会員か、共用スペースに加え個室も利用できる個室会員かを選択頂き、その上で個室を月単位、または、曜日単位でトッピングして頂く形となります。例えば、個室は毎週月曜日だけや、月曜日と水曜日だけなど利用ニーズに応じて選択頂くことが可能です。毎日は出社しないけれど週1回は社員全員で集まり、企業文化の醸成や業務の進捗確認を行いたいなどという企業の皆様にご好評いただいております。

 

また、丸の内のまちをシェアリングするという発想のもと大手町・丸の内・有楽町・常盤橋の連携施設のラウンジ等を利用いただくことが可能です。TOKIWA BRIDGE入居者は場所を変えて作業をしたり会議をしたり、目的に応じて自由に利用できます。三菱地所は、この丸の内に30棟以上のビルを所有しており、そのアセットをうまく連携させてスタートアップ企業の方に使っていただきたいと思っています。

 

<TOKIWA BRIDGEと連携している施設>

  • TOKYO TORCH常盤橋タワー3F MY Shokudo
  • 大手町ビル7F  OTEMACHI BUILDING LOUNGE
  • 新東京ビル4F Shin Tokyo 4THラウンジ
  • EGG JAPAN、Global Business Hub Tokyoのイベントスペース

 

さらに、複数施設をご利用頂くため、1Fにはシェアサイクルポートもあります。それぞれの施設への移動に自転車を利用することも可能です。

 

3-2.入居企業支援の取り組み

入居企業との協業・共創も進めており、このTOKIWA BRIDGEを実証実験の場としてもご利用頂いています。施設入口の入室管理システムや宅配ボックスなども入居企業が開発しているサービスで、実際に多くの方に利用頂きながら、新サービスの導入やブラッシュアップなどを進めています。

 

<実証実験で導入されているツール>

画像出典:三菱地所株式会社 xTECH運営部取り組みの紹介資料

 

  • 株式会社PacPort

入居者用宅配ボックスシステムとして導入

 

  • フォレストデジタル株式会社

五感を刺激する没入自然空間「TOKIWA PARK by uralaa」を施設内ワークスペースとして導入

 

  • TRIBAWL株式会社

「Machi Pass Face」と連動し、施設の入室管理システムとして導入

 

  • 株式会社SoftRoid

工事現場の可視化・共有ツール(新丸の内ビルEGGJAPAN拡張工事に導入)

 

また、入居企業同士がコミュニティ形成できるようなイベントなども実施しています。企業紹介ピッチや同じ役職同士の方が集まる会なども今後、実施していきたいと考えています。シードからアーリー期のスタートアップ企業が多く入居しているので同じ悩みを持つもの同士、気軽に話せて、事業成長につながるような場にしていけたらいいなと思っています。

 

3-3.入居企業紹介

様々な業種の24社がTOKIWA BRIDGEに入居しています。特に入居企業の業種に規定などは設けておりません。国内シードからアーリー期のスタートアップ企業がほとんどなので、これから大きく羽ばたいていく企業の成長を見届けるのがとても楽しみです。

 

  • 株式会社Betterbound

企業向けミドルマネジメント自動化クラウド"YARIKIRI"の開発・提供

 

  • 株式会社GIG-A

外国人労働者向けサブスクバンキングサービスの開発・提供

 

  • Hmlet Japan株式会社

住みながら新しい体験ができる賃貸住宅を提供

 

  • 株式会社MONO Investment

リテール金融事業者向けに業務効率化と投資提案の高度化を実現するサービスを提供

 

  • 株式会社Octa Robotics

ロボットと設備(エレベーター等)の連携インターフェースの提供

 

  • 株式会社PacPort

宅配ラストワンマイル課題に挑む、ソリューションプロバイダー

 

  • Rsmile株式会社

不動産管理業務と地域作業者や工務店を繋ぐ、不動産管理効率化サービス「COSOJI」の開発・提供

 

  • 株式会社SIGNING

「会社の課題」と「社会の課題」を解決し、新しい時代の道標をつくっていく、ビジネスデザインカンパニー

 

  • 株式会社SoftRoid

建築現場でのデータ収集・分析・可視化サービス

 

  • SOMPO Light Vortex株式会社

デジタル技術を活用した商品・サービスの企画、開発、販売

 

  • TRIBAWL株式会社

人間の五感にあたる各種技術を使って人とAI・ロボティクスとの共生する社会を目指す企業

 

  • TRUST SMITH株式会社

AI・ロボティクスの技術を活用したソリューション提供

 

  • 株式会社Youth Planet

SNSインフルエンサーを使った新卒・中途人材の紹介と、企業の採用コンサルティング

 

  • 株式会社エーアイセキュリティラボ

SaaS型Webアプリケーション脆弱性診断プラットフォーム「AeyeScan」の開発・提供

 

  • オモテテ株式会社

生理ライフを快適にするサービス「unfre. アンフリ 」事業等を展開

 

  • スタジオアンビルト株式会社

建築設計×テクノロジーで建築業界の革新を目指す企業

 

  • 株式会社トクイテン

有機野菜の生産と自動化のためのAI・ロボット開発

 

  • 株式会社フクスケ

ニューリスク副業事故を防止するクラウド型副業制度サービスフクスケを運営

 

  • 株式会社プロタゴニスト

WEB3.0時代のブロックチェーンベースでの人材採用支援

 

  • 株式会社ヘッジホッグ・メドテック

頭痛治療用アプリの開発・販売

 

  • フォレストデジタル株式会社

没入自然空間(空間型VR)プラットフォーム「uralaa うらら 」の提供

 

  • 株式会社食のおくすり

「食」を通じて健康になることを目指した、予防医療・食育の推進

 

  • 株式会社ヘラルボニー

「異彩を、放て。」をミッションに、福祉を起点に新たな文化を創ることを目指す福祉実験ユニット

 

3-4.施設内紹介

TOKIWA BRIDGEは、13階フロアと地下2階フロアで構成されています。

画像出典:TOKIWABRIDGE

 

13階は共有ラウンジや会議室が主に設置されており、地下2階には、製品の組み立てなどを行える個室や共用ラボが複数設置されています。

 

<エントランス>

エントランスにはTOKIWA BRIDGEに入居している企業ロゴが掲示されています。掲示されているロゴは21社ですが、現在は24社が入居中になります。

 

入居しているTRIBAWL株式会社との協業でエントランスに導入した顔認証システム「Machi Pass FACE」です。

顔認証で入室ができるように施設入り口に設置されています。三菱地所では「Machi Pass FACE」を利用し、様々な施設の入退室や街で展開される複数のオンラインサービスを1つのIDで連携できるよう進めています。いずれはオフィス・保育園・テーマパーク、イベントなどへの入退場の認証についても「Machi Pass FACE」で連携していく構想もあります。

 

<共有ラウンジ>

共有ラウンジは自由に席を選んで作業することができるエリアです。対面で話せるテーブル席やファミレス席、カウンター席、フォンブースなど、ひとりでも複数でも快適に作業できる席が用意されています。大きな窓があり光が明るく差し込む窓側は気分転換もできます。

 

カウンター席の近くにはコーヒーやお茶が自由に飲めるキッチンが設置されています。ドリップコーヒーを入れている間に他の方と会話を弾ませる光景をよく見ます。カウンター下には貸し出し用モニターなどのOA機器が多数あり、必要な時に自由に持ち出すことが可能です。

 

<個室・会議室>

会議室4室、Phoneブース4室を完備しており、事前予約をすることで利用可能です。

会議室には、桔梗門や祝田門など丸の内周辺の門の名前がつけられています。

 

<フォーカスルーム>

フォーカスルームは作業に集中したい時におすすめのエリアです。防音性のある壁に囲まれた半個室ブースや大きなモニターが設置されたカウンター席など、集中して作業をするのにぴったりなエリアです。

 

すぐ隣に設置されたメディテーションブースではゆっくり休憩をすることができます。柔らかい光に包まれながらロッキングチェアに揺られていると、ついついオフィスだということを忘れてしまいそうなくらい心地よい空間です。

 

<地下2階フロア>

地下2階フロアは、ものづくりスタートアップ向けの共用ラボと個室があり、作業テーブルやロボットやモビリティを動かすこともできる広いスペースも確保した造りとなっています。

画像出典:TOKIWABRIDGE

 

<没入自然空間「TOKIWA PARK by uralaa」>

入居企業のフォレストデジタル株式会社との協業で、アロマの香りと共に、壁・天井の4面に自然の風景を投影し、まるで自然の中にいるかのような没入体験ができます。このスペースは会議やワークスペースとして使われています。

 

地下2階の各個室は、作業ができるような広い空間とデスクが設置されています。入居企業によってはセグウェイを走らせるコースを作っていたりなど、広い空間を有効利用して自由に使われています。

 

4.オフィスビルの在り方

弊社には、入居企業が活躍できる場を提供していきたいという思いがあります。オフィスは大空間で良いという方もいれば、什器付きでコミュニティがある方がいいという方もおり、その企業のニーズにあったオフィス空間を開発し提供していくことが使命だと考えています。丸の内は敷居が高いと思われがちですが、TOKIWA BRIDGEの曜日貸しのように、お客様のニーズに合わせて、商品・サービスを組み合わせて、様々な方に施設を使っていただけるようにこれからも工夫を凝らしていきます。

オフィスは会社のミッションを達成していくための「場」であり「コミュニケーションスペースであって欲しいと思います。

 

5.編集後記

多数の所有ビルを丸の内に構える同社。今回インタビューで伺ったTOKIWA BRIDGEは、複数の施設をシェアリングできるので用途に合わせて街の使い分けができる画期的な仕組みでした。丸の内というブランドが、スタートアップ企業が展開するビジネスの次なる飛躍につながっていくのではないでしょうか。

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