その他

困った時は起業の心強い味方である専門分野の「士業」に相談しよう

2021.11.05

企業を経営していく中で「士業」との契約は不可欠。

士業とは税理士、行政書士、社会保険労務士、弁護士など、「○○士」という名前が付く職業のこと。

それぞれの士業の種類によって役割が分かれているだけでなく、さらにその士業のなかでも個人によって得意分野が異なります。たとえば、弁護士さんでも従業員の雇用労務に強い方もいれば、知的財産の申請書類を書くレベルから対応してくれる方も。

それぞれ要求できる役割は違うのでその点も考慮しながら考えていく必要があります。

 

1 士業に仕事を依頼するメリットとは

経営を行う中で士業に仕事を依頼するメリットはどのようなものなのかを考えていきましょう。

1-1 やるべきことに向き合える時間を確保できる

創業前や創業時の目の回るような忙しさの中で最も貴重な要素が「時間」なことは言うまでもないでしょう。書類の作成方法や申請方法などを調べ、記載し、提出するのは非常に時間と労力を必要とします。

そのような領域に対する専門知識を保有している士業に依頼することで、自分が今行うべきことに向き合うことができます。

 

1-2 専門家の正しい判断を企業に取り入れることができる

企業間の契約、給与支払い、従業員との契約の更新・満了などの雇用に関する内容、定款や著作権などの事柄を取り扱うケースなどは場合によっては大きな問題になってしまうことも考えられます。

素人の判断基準でこれらの業務を進めると、後々大きな問題を引き起こしてしまうリスクがあることを意識しておきましょう。もし何かが起こってしまった場合は、多くの時間やお金、信用が失われてしまうかもしれません。

このようなことを防ぐためにも、専門知識に基づいた的確な判断ができる士業に仕事を依頼しておきたいものです。

 

 

2 各専門家の仕事内容や料金相場

ここからは士業へ実際に依頼する際に「税理士、行政書士、社労士、弁護士」に依頼できる仕事内容とかかる相場の目安を紹介していきます。

2-1 税理士とは

税理士は所得税、法人税、事業税などの税金に関する業務を行ってくれます。創業前や創業直後の経営者の方に対して節税対策や経営改善へのアドバイスをしてくれることも。

中小企業の最も活用頻度の高い士業で、税理士さんが窓口になって他の士業に業務をふることもあります。

会社を立ち上げた際は必ず契約しておきたい士業です。

税理士だけが行うことができる「税務代行」「税務書類の作成」「税務相談」という独占業務の存在も業務依頼の際の参考としてください。

 

2-1-1 税理士に依頼できる主な仕事内容

税理士に依頼できる主な依頼内容は以下の通りです。事務所によっては給与振り込みを行ってくれるところも。

  • 法人税申告代行:納税者に変わって税の申告を行う
  • 税務書類作成代行:税務署に提出する書類を作成
  • 税務相談:税の計算法や手続きなどのアドバイス
  • 会計面のサポート業務:決算書類の作成代行など

 

2-1-2 依頼するタイミング

税理士に依頼するベストなタイミングは創業時でしょう。期の途中での依頼は税理士報酬が1年間分必要になるケースも。加えて決算の直前に依頼すると十分な時間的余裕がないために万全な節税対策などができないことも考えられます。

税理士を変更したい場合も同様にタイミングを考えて依頼することをおすすめします。

 

2-1-3 税理士の報酬相場

税理士への報酬は売上高で大まかな報酬が決まることも。また、作業量や契約形態によっても変動しますが、法人への報酬としては以下のような報酬体系が一般的です。

訪問回数やお願いしている業務量などによっても大きく変化するのであくまでも参考として考えてください。

年間売上
月間顧問料
決算料
訪問頻度
毎月3カ月に一度半年に一度
1000万未満2万5千~2万~1万5千~月額の3~6カ月
1000万~3000万3万~2万5千~2万~
5000万~1億3万~3万5千~3万~
1億~5億6万~5万4万~
5億~相談相談相談

 

2-2 行政書士とは

許認可に関わる届け出の代行が行政書士の仕事内容。創業前や創業後の経営者が最も取引をする相手が行政書士と言えるかもしれません。「行政」の字が表す通り官公署といった行政に提出する書類の作成などを担当します。

日本は申請する許認可の種類が多いので、業態によって申請する内容が変わります。

行政書士のなかでも飲食店、美容室、古物商に関わる申請など、それぞれ得意とするジャンルがあるのでその業種に特化している人を選びましょう。

 

2-2-1 行政書士に依頼できる主な仕事内容

行政書士に依頼できる仕事内容はなんと1万種類以上あるとも言われており、ビジネスに関する領域では主に会社設立や開業など許可や認可に関する公文書の作成代行や申請代行を行います。

行政書士は主に以下の内容の手続きを代行してくれます。

  • 法人関連の手続き:定款の作成など法人の設立代行
  • 知的財産権の手続き:著作権に関する申請代行
  • 外国籍雇用の手続き:入国管理局への書類作成・申請代行
  • 運輸関連手続き:運送・タクシーに関する営業許可申請代行
  • 電子申請手続き:電子署名の申請及び手続き代行
  • 許認可申請手続き:建設業や飲食店等の許可申請手続き代行

 

2-2-2 依頼するタイミングは?

「手続きにかかる時間」と「申告の期限」を基準に、なるべく早めに相談、依頼することをおすすめします。

例えば、相続には「死亡届」や「年金」などのように法律で申告期限が決められているものも。期限を過ぎてしまうと手続きが複雑になり、労力と時間も多くかかってしまいます。

このように官公署の申請には期限つきのものが多くあるため、それを見越して早めに依頼を検討しましょう。

 

2-2-3 行政書士の報酬相場

行政書士の報酬はそれぞれの事務所が独自に価格の設定をしているために決まりはありません。しかし「日本行政書士会連合会がアンケート調査」をした主な依頼内容の平均相場は以下の通りとなっています。

  • 会社設立:10万
  • タクシー経営許可申請:40万
  • 留資格取得手続き:2万
  • 子内容証明作成:3万
  • 食店営業許可申請:10万
  • 設業許可申請:10万
  • 約書作成:3万

 

2-3 社労士とは

社会保険労務士(社労士)は労働や社会保険についての専門家。就業規則や労務管理、入社、退職時の手続きから給与計算に至るまで会社経営に必要不可欠な業務を代行してくれます。

従業員が10人以上になった場合は必要となる就業規則の作成なども相談することも可能。

 

2-3-1 社労士に依頼できる仕事内容

ビジネスの領域で社労士に依頼できる主な依頼内容は以下の通りです。

  • 就業規則の作成・変更:就業規則の作成・変更を代行
  • 人事労務管理:入社・退社の手続きなどを代行
  • 助成金関係:利用可能な助成金の提案や申請手続き代行
  • 給与計算事務:従業員の給与計算代行業務
  • 雇用保険、社会保険に関する書類の作成・提出
  • 労務に関する相談
  • 労使関連の紛争の対応

 

2-3-2 依頼するタイミングは?

起業と同時に複数の従業員を雇う予定であれば、起業前に依頼するのがベスト。

雇用前に労働条件などを決めておく必要がありますが、最初の段階でしっかり設計を行っておかないと、後々自分で決めたルールに束縛されてしまうケースが少なくありません。

労働条件を決める際には専門家である社労士を利用して取り決めを行っていくことで問題を未然に防ぐことができるでしょう。

 

2-3-3 社労士の報酬相場

顧問契約料や依頼する業務によって、また社労士事務所によっても金額が大きく変わります。ここでは、依頼元の会社の従業員数によって金額が変わることが多い傾向にあります。おおむねの報酬相場をご紹介します。

  • 顧問契約料:3万円前後/月
  • 給与計算を依頼した場合:1~4万円程度(従業員数が多ければ金額変動)
  • 労働保険の年度更新を依頼した場合:3~7万円程度(従業員数が多ければ金額変動)

 

2-4 弁護士とは

法律の専門家としてビジネスの領域では、創業前後の法律相談や訴訟管理、コンプライアンスの制定など幅広く活躍してくれます。士業のなかでも特にカバーする範囲が広く、裁判所とのやりとりなど、弁護士でなければ行えない業務も多数。

また、近年では顧問弁護士以外に、企業に所属する企業内弁護士を採用している会社もあります。

 

2-4-1 弁護士に依頼できる仕事内容

ビジネスの領域で弁護士に依頼できる仕事内容は、法律を用いて解決する企業間のトラブルや契約書関係、労働者との関係など多岐に渡ります。

主な依頼内容は以下の通りです。

  • 広告表現校正:広告の表現やコンプライアンスに則した記載方法を提案
  • 労使問題・交渉:労使問題への対応・交渉代行
  • 就業規則:就業規則の作成・見直し
  • 訴訟対応:訴訟に対する対応・解決
  • 予防法務(契約書の作成や各種規約のデザイン、違法性の発見)
  • 紛争対応(訴訟に関するサポート、裁判所対応)

 

2-4-2 依頼するタイミングは?

事業規模が拡大し、関係先が増えてきたら顧問弁護士を検討する時期かもしれません。法的にどうかなと感じた際に相談できるように、信頼できる顧問弁護士と契約することをおすすめします。

 

2-4-3 弁護士の報酬相場

ビジネスの領域で弁護士に仕事を依頼した場合の報酬相場は以下の通り。弁護士に仕事を依頼する際には報酬の他に「着手金」がかかることを知っておくことも必要です。

今回は、「訴訟」に関して弁護士会の定めたルールを最も反映しているとされる「第二東京弁護士会の旧報酬会規」と同様の内容を参考にします。

経済的利益の額着手金報酬金
300万円以下8%16%
300万円を超えて3000万円以下5%10%
3000万円を超えて3億円以下3%6%
3億円を超える部分2%4%

例えば300万円の裁判請求だった場合に上記の方法で計算すると、

  • 着手金:24万円(300万の8%)
  • 報酬金:48万円(300万円の16%)
  • 合計:72万円

となります。

また、創業前後に就業規則や労使などの文書作成を頼む場合には平均で20万円程度、顧問弁護士として契約する際には月30万円程度が相場となっていますので併せて覚えておきましょう。

 

2-5 その他の士業

代表的な士業をご紹介してきましたが、他にも多くの士業が。ここからは企業によっては必要になってくる士業をまとめます。

 

2-5-1 弁理士

資格としては弁護士でも同じ業務を行えることも。しかし専門的な領域であればあるほふぉノウハウが必要なものも多く、弁護士さんと弁理士さんがチームを組んで対応する場合もあります。

  • 意匠権、商標権、特許申請、無形資産の権利化
  • 発明の権利化
  • 知財侵害訴訟など紛争等のサポート

などを行ってくれます。

 

2-5-2 公認会計士

  • 上場企業の監査業務
  • 上場準備のための過去2年分のチェック
  • 上場可能かどうかのショートレビュー

などの業務を担当してくれる公認会計士。

上場するには大手監査法人に所属している公認会計士に上場準備のための監査を受ける必要があります。

独立している公認会計士の方もいますが、ダブルライセンスとなっている税理士・行政書士として登録・開業されていることも。大手企業の管理体制をチェックした経験から、連結会計、買収案件の会計など、普通の税理士が知らない税制や海外の会計処理を知っていることもあります。

 

2-5-3 司法書士

本店移転、資金調達、株式発行など定款に関わる法務局への登録業務を担当してくれます。会社にとって大きなイベントの際に、関係する役所に届出が必要な書類の作成・届け出などでお願いすることが多いでしょう。

 

 

まとめ

創業前や創業当社はやらなければならない業務は非常に多くあります。自分の時間を確保し本来の仕事に専念するためにも、専門知識が必要でなおかつ重要な税務や法律関係などは、士業の専門家の力を借りることをおすすめします。

仕事を依頼する際は、依頼の報酬相場や担当領域をよく確認して進めましょう。

NEWESTハイッテ最新居抜き物件

MAIL MAGAZINE

メールマガジン登録

新着の居抜き物件やオフィス移転の参考になる情報をお届けします。