移転知識・オフィス用語

オフィスの原状回復工事の基礎知識と費用を解説

更新日:2023.01.16

オフィスを退去する際に多くの場合で発生するのが「原状回復工事」。原状回復工事とは、入居時の状態(原状)に戻すための工事のことです。この記事では原状回復にまつわる基本的な部分から費用を抑えるポイントなど解説しています。

原状回復工事とは

定義

「原状回復」とは、借主がオフィスを退去し貸主に明け渡す際に、貸主が定める元の状態に戻すことを指します。

タイミング

オフィスの場合、契約期間後に工事を行う住宅の引越しとは異なり、契約期間中に原状回復工事も含め全て終わらせなければなりません。そのため、先の予定を鑑みると早めの手配や引越しが必要となります。万が一、オフィスの契約期間満了までに原状回復が完了できない場合には、工事が完了し明け渡されるまでに発生する賃料を貸主に支払う必要が発生するので注意しましょう。

期間

原状回復工事に必要な期間はオフィス規模によって大きく異なりますが、工事範囲の調整から施工業者へ発注するまでに1ヶ月〜2ヶ月と日数を要します。工事自体は30坪~50坪前後のオフィスであれば2週間程度、100坪以上のオフィスであれば1ヶ月要することも珍しくありません。

また、施工業者の対応できるキャパシティによっては依頼後すぐに着工できない場合もありますので、移転が決まり次第スケジュールを逆算し、早めに相談するようにしましょう。

費用

原状回復義務の所在は借主にあることから、発生する費用は借主にて負担します。オフィスの原状回復に発生する費用は場合によって異なりますが、大まかな相場感として小中規模オフィスで坪あたり3万円前後、大規模オフィスであれば坪あたり7万円前後です。しかし、この金額は固定ではないため参考程度で考えておくと良いでしょう。

また、内装に多くの造作や装飾を施した場合には、その分の工数が増えるため原状回復費用も高くなる傾向があるので、原状回復費用は場合によって大きく異なることを覚えておくことがポイントです。

工事内容

後々トラブルにならないよう工事内容を明記した「原状回復基準書」という書類があります。原状回復の項目は大まかに下記項目へ分類されますが、物件によって異なるケースがあるので契約書の確認が必要です。

・壁紙の全面張替、壁が塗装の場合は全面塗装

・天井の全面張替、天井が塗装の場合は全面塗装

・床板の張替え、タイルカーペットの場合は全面張替、OAフロアの場合高さ調整や破損は交換

・巾木の全面張替え

・扉及び枠の全面塗装

・管球(蛍光灯や電球)の全部交換

・設備を移設や増設した場合は元に戻す(空調や火災報知器、スプリンクラーなど)

・原状回復が終了した際のクリーニング、エアコンなどのクリーニングなど

契約書の内容によっては現地確認をして損傷箇所だけ修復してクリーニングのみ、損傷箇所がなければクリーニングのみの費用負担になります。オーナー、契約書によってケースが異なるので必ず確認するようにしましょう。

原状回復が必要となるケース

<セットアップオフィスの場合>

入居時の状態に戻すことを目的とする原状回復工事では、什器や設備が元々完備されているセットアップオフィスの場合でも、その他オフィスと同様に原状回復工事が必要です。例えば、会議室の追加造作や壁紙・タイルカーペットの張り替えなどが該当します。退去時に「何をどのように戻すか」が記載されているため内容を事前に把握できます。トラブルの回避という意味でも、事前に仲介業者に相談すると良いでしょう。

<居抜きオフィス>

前テナントの内装や什器をそのまま引き継ぐことが可能な居抜きオフィスの場合も、原状回復工事は必要と契約書内容に記載されています。一般的な原状回復工事だと内装造作を解体して、壁紙張替・鉄部塗装・タイルカーペット張替・管球交換・クリーニングになります。ただ、以前の入居テナントが設備や内装に手を加えていた場合には費用が嵩む場合があり、よく挙げられるケースは以下の通りです。

・ドアを交換していた

・空調の増設や位置変更、電気容量を変更していた

・照明器具を交換していた

・OAフロアを撤去していた

・天井を一部または全部抜いていた

内装をしていたセットアップオフィスや、居抜き物件を検討されている方は退去時の原状回復費用についても配慮しながらオフィス選びをすると良いでしょう。

原状回復費用を抑えるポイント

費用が高額な傾向のある原状回復工事でも、一手間加えることで費用を抑えることができる可能性があります。その際に意識すると良いポイントを紹介していきます。

徹底的に清掃する

予め出来る範囲の清掃を隅々まで徹底的にしておくことで、クリーニング費用を抑えることができる可能性があります。

不要な家具や什器は買取業者に依頼する

原状回復は貸主が定める状態に戻すことから、自身で購入した家具や什器がある場合には廃棄となりますが、退去する際に不要となったオフィス家具や什器などは事前に買取業者に依頼することで処分費用分を削減できる可能性があります。あるいはフリマサイトなどに出品することも選択肢の一つです。原状回復工事時に排出される廃棄物は全て産業廃棄物扱いとなり高額になるため、自身で対応できるものは事前に処分しておくと良いでしょう。

また、貸主に対し建物に付加した造作(建物に取り付けられたもの)を買い取ってもらうことのできる「造作買取請求権」という権利が、賃貸借契約の締結時に借主へ付与されます。例えば空調設備や電気・ガス、床と天井にレールが完全に取り付けられたパーテーションなどが該当します。ただし、この権利を行使した際の買取額は時価となりますので、価値がないと判断された場合には請求は認められませんので注意しましょう。

造作物の削減

入居時に無かったパーテーションや会議室などを新しく造作した場合には、前途の「造作買取請求権」を行使しない限り撤去が必要です。多くの場合、必要な工数や期間が増えるにつれて費用も高額になるため、造作物が少ないほど短期間で安価に済ませることができるでしょう。

まとめ

原状回復は高額になるため、トラブルを回避するためにも正しい知識が必要です。少しでも不明な項目がある場合には仲介業者へ問い合わせ、事前に不明点を解消しておくことでスムーズな移転に繋がるでしょう。

 

営業担当者 / ハイッテ編集部監修者

代表取締役社長
関口秀人(sekigushi hideto)
宅地建物取引士【東京都知事:第101772号】

近畿大学卒業後、新卒で不動産仲介会社に入社。24歳で共同創業者として株式会社クリアビジョンを設立・上場までをサポート後、2018年2月に株式会社IPPO(イッポ)を設立。主要大手デベロッパーとの契約を全て経験しており、何万坪でも対応可能。どの街に、どこが運営している、どんなビルがあるかを把握しており、まさに不動産生き地引といえる。また、不動産業界経験14年の中で、10年以上お付き合いのあるお客様も多く、顧客上場社数は20社以上、顧客EXIT社数は30社以上にのぼる。各企業の成長フェーズに合わせた課題とソリューションのノウハウがあり、関わったお客様は皆上がっていく傾向あり。

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